インテリジェンス態勢整備推進法案
正式名:インテリジェンスに係る態勢の整備の推進に関する法律案
この法律案は衆議院で否決され、成立していません。
インテリジェンスに係る態勢の整備の推進に関し、基本理念、国の責務、施策の基本となる事項を定め、インテリジェンス態勢整備推進本部を設置しようとした法律案。
主な内容
- インテリジェンスを、国の安全の確保等に関する政策決定に必要な情報の収集・整理・分析と活用、重要な情報の保全、不当な情報収集等への対処と定義。基本理念に、外国の利益を図る活動の透明性確保、政治的中立と民主的統制、国家の存立に関わる課題との認識、国民の自由と権利の尊重を掲げ、国の責務と、必要な法制上の措置を施行後3年以内を目途に講じることを定めていた。
- 外国による不当な影響力の行使の防止のため、外国の利益を図る目的の一定の活動を行う者に係る国への届出制度の創設などの措置を講じるとしていた。また、虚偽・不正確な情報などが情報通信技術で拡散されることの影響と対処の方策を調査研究し、必要な施策を講じるとしていた。
- インテリジェンスに関する事務をつかさどる機関と、これを管理する独立行政委員会の設置を含めた行政組織の整備、関係機関の連携協力の確保などを行い、国会の関与による民主的統制を確保するとしていた。
- 情報収集等の手法の拡充などを行い、国民の自由と権利に制限が加えられる場合も必要最小限で、公正かつ適正な手続の下に行われることに留意するとしていた。また、従事者・協力者の安全と適切な処遇の確保、人材の確保・養成、実施状況と効果の検証・調査研究、実施状況の概要や成果の公表などの措置を講じるとしていた。
- 内閣にインテリジェンス態勢整備推進本部を設置し、本部長に内閣総理大臣、副本部長に内閣官房長官とインテリジェンス態勢整備推進担当大臣、本部員にそれ以外の全ての国務大臣を充てるとしていた。内閣法を改正し、内閣情報官の所掌事務に本部に関する事務を追加するとしていた。
- 国は、民間事業者、教育研究機関等が保有する情報を保全するための措置を検討するとしていた。成立していれば公布の日から施行し、推進本部(第三)と内閣法改正(三)の部分は公布の日から起算して1月を超えない範囲内で政令で定める日から施行する内容だった。
なぜ出されたか
提出した議員は、国際情勢の複雑化や情報通信技術の活用の進展等に伴い、外国による不当な影響力の行使の脅威が増大する中、憲法が保障する国民の自由と権利を尊重しつつインテリジェンスを適確に実施することが極めて重要だとしている。そのため、基本理念や国の責務、施策の基本となる事項を定め、インテリジェンス態勢整備推進本部を設置して、態勢の整備を総合的かつ集中的に推進する必要があるとしていた。
だれに関係するか
国。法律案は、国の責務を明らかにし、インテリジェンス態勢整備推進本部を設置するとしていた。
国会での議論
衆議院内閣委員会で、内閣提出の国家情報会議設置法案と一括して質疑が行われた。討論の後に採決した結果、本法律案は賛成少数で否決すべきものと決した。
- 【賛成】中道改革連合・無所属:中道改革連合・無所属は、本法律案と内閣提出の国家情報会議設置法案の両案に賛成した。脅威の質が大きく変化する中でインテリジェンス機能の強化は喫緊の課題だと述べた。一方、情報機能の強化は常に憲法の枠内に置かれるべきで、強化に見合う民主的統制の整備が不可欠だとした。
- 【賛成】国民民主党・無所属クラブ:国民民主党・無所属クラブは、提出会派として賛成した。我が国で初めて法案でインテリジェンスを定義し、国会による民主的統制や政治的中立の確保など実施に当たっての理念や留意点を明確にしたと述べた。また、人材の確保や、職務に従事する者の安全と適切な処遇の確保などを基本的施策に掲げたとした。
- 【反対】日本共産党:日本共産党は、本法律案に反対した。同党は内閣提出の国家情報会議設置法案について、官邸への情報集約が強化され、各情報機関による市民監視や人権侵害が拡大するなどとして反対しており、国民民主党提出の本法律案はこうした閣法の問題点を解消するものではないと述べた。
会派ごとの賛否(衆議院 2026年4月23日)
賛成:中道改革連合・無所属、国民民主党・無所属クラブ
反対:自由民主党・無所属の会、日本維新の会、参政党、チームみらい、日本共産党
出典
- 衆議院 議案要綱(第221回国会 衆法第3号)
- 衆議院 議案審議経過情報(第221回国会 衆法第3号)
- 衆議院 議案本文情報(第221回国会(特別会) 衆法第3号・提出時の法律案の理由)
- 国会会議録(衆議院 本会議 2026-04-23・山下貴司委員長の報告)
- 国会会議録(衆議院 本会議 2026-04-23・大島敦議員の討論)
- 国会会議録(衆議院 内閣委員会 2026-04-22・大島敦議員の討論)
- 国会会議録(衆議院 本会議 2026-04-23・野村美穂議員の討論)
- 国会会議録(衆議院 内閣委員会 2026-04-22・野村美穂議員の討論)
- 国会会議録(衆議院 内閣委員会 2026-04-22・塩川鉄也議員の討論)
更新の記録
- 2026年11月2日 更新:「なぜ出されたか」「だれに関係するか」「国会での議論」を足しました(国会会議録と法律案の理由をもとに、AIが書き、別の会社のAIとプログラムで確かめました)。