せいじのまど

国旗損壊等処罰法

法律が成立2026年7月17日第221回国会(特別会)衆法第18号提出 議員(自由民主党・無所属の会、日本維新の会、国民民主党・無所属クラブ、参政党)令和8年法律第69号2026年7月24日 公布

正式名:国旗の損壊等の処罰に関する法律

著しく不快又は嫌悪の情を催させる方法で公然と国旗を損壊・除去・汚損する行為に罰則を設ける法律。

主な内容

  • 「国旗」とは、国旗及び国歌に関する法律に定める国旗として用いられていると社会通念上認められる有体物をいう。
  • 人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法で公然と国旗を損壊、除去又は汚損した者は、2年以下の拘禁刑又は20万円以下の罰金に処する。該当性は行為の外形、周囲の状況その他の客観的な事情を総合的に勘案して判断する。
  • 適用に当たっては表現の自由その他の日本国憲法の保障する国民の自由と権利を不当に侵害しないよう留意しなければならない。施行後3年を目途に、インターネット等の利用状況、損壊された国旗の陳列等の発生状況等を勘案して検討を加える。
  • 施行は公布の日から起算して20日を経過した日。

なぜ出されたか

提出した議員は、人に著しく不快または嫌悪の情を催させるような方法で、公然と国旗を損壊し、除去し、または汚損する行為について、処罰規定を設けるためとしている。

だれに関係するか

人に著しく不快または嫌悪の情を催させるような方法で、公然と国旗を損壊・除去・汚損した者が処罰の対象となる(2年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金)。

国会での議論

衆議院内閣委員会は6月25日に参考人の意見を聴取し、26日に討論・採決を行い、賛成多数で原案どおり可決すべきものとした。参議院内閣委員会でも参考人の意見を聴取し、立法事実の有無、保護法益、政治的表現等への萎縮効果、罪刑法定主義の明確性の観点からの具体的な処罰事例などについて質疑があった。討論では立憲民主・無所属、公明党、日本共産党、れいわ新選組が反対、国民民主党・新緑風会、参政党が賛成の意見を述べ、多数で原案どおり可決すべきものとした。両院の委員会とも附帯決議を付した。

  • 【賛成】国民民主党・新緑風会:国民民主党・新緑風会は、日本の国旗は守るべきだとの認識を示した。当初案にあった損壊の様子を事後に配信する行為への処罰を同党の求めで削除したこと、3年後の見直し規定を設けたこと、質疑で処罰対象の具体例を示して外縁を画したことを挙げ、賛成した。
  • 【賛成】参政党:参政党は、外国国章損壊罪がある一方で自国の国旗は自己所有なら損壊しても処罰されず公平性を欠くとした。表現の自由は国旗を大切に思う国民の思いと調和して保障されるべきだとし、3年後の見直しで損壊国旗の公然陳列なども検討対象とされたことを挙げ、賛成した。
  • 【反対】中道改革連合・無所属:中道改革連合・無所属は、提出者が示した事例はいずれも器物損壊罪の対象で立法事実がないとした。また、国民感情という曖昧な保護法益で表現の自由を制約するのは無理があり、芸術表現などで曖昧さが残り萎縮効果が深刻だとして、反対した。
  • 【反対】日本共産党:日本共産党は、国旗にどのような感情を持つかは個人の自由であり、刑罰で特定の価値観を押しつけることは思想・良心の自由や表現の自由を不当に侵害するとした。また、対象物や行為の態様が極めて曖昧で、憲法31条の罪刑法定主義に反するとして、反対した。
  • 【反対】立憲民主・無所属:立憲民主・無所属は、国旗の損壊は表現の自由の核心である象徴的言論であり、国民感情という抽象的な法益を刑罰で保護すると正当な言論活動に深刻な萎縮効果をもたらすとした。また、処罰範囲の明確性を欠き、現場での私人逮捕などで混乱を招くとして、反対した。
  • 【反対】公明党:公明党は、刑罰は最終手段であるべきで、教育を通じて国旗の意義を涵養するなど刑罰以外の方法があるとした。提出者が示した事例は器物損壊罪で罰せられるもので立法事実はないとし、不快や嫌悪は主観的で処罰対象が明確でないとして、反対した。

会派ごとの賛否(参議院 2026年7月17日)

賛成 161票・反対 81票

会派所属賛成反対
自由民主党・無所属の会101980
立憲民主・無所属40040
国民民主党・新緑風会25250
公明党21021
日本維新の会19190
参政党15150
日本共産党707
れいわ新選組505
日本保守党220
沖縄の風202
チームみらい・無所属の会201
社会民主党202
各派に属しない議員623

出典

更新の記録

  • 2026年11月2日 訂正:「国会での議論」から、チームみらいの賛成の理由を外しました。会議録では、話した議員が「会派として容易に割り切れない」と述べたうえで、個人として賛成していて、会派を代表した意見ではなかったためです(載せるのは会派を代表して述べた理由だけ)。
  • 2026年11月2日 更新:「なぜ出されたか」「だれに関係するか」「国会での議論」を足しました(国会会議録と法律案の理由をもとに、AIが書き、別の会社のAIとプログラムで確かめました)。