主要食糧需給価格安定法の改正
正式名:主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律の一部を改正する法律
一定規模以上の米穀取扱事業者の届出・在庫報告、民間備蓄の創設、生産調整規定の廃止等を行う法律。
主な内容
- 一定規模以上の米穀等取扱事業を行おうとする者に届出を義務付け、定期的に主務大臣へ米穀の在庫数量等を報告させる。
- 米穀の備蓄を需要量の増加等による供給不足にも備えて保有できるものとする。民間備蓄を創設し、民間備蓄事業者は基準保有量を届け出て常時保有しなければならず、正当な理由なく保有しないときは農林水産大臣が命令等できる。
- 米穀の生産調整方針に係る規定を廃止し、生産者は主体的に需要に応じた生産を行うよう努める。目的規定を主要食糧の需給の安定及びこれを通じた価格の安定化に改める。
- 施行は一部の規定を除き公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日。
なぜ出されたか
内閣は、今般の米価高騰の下で生じた課題に対応し、米穀の備蓄の運営を円滑にして消費者への米穀の供給を安定させるためとしている。大規模に米穀を出荷・販売する事業者に一定量の在庫の常時保有を、一定規模以上の出荷・販売・加工・調製の事業者に在庫数量などの定期報告を義務付けるほか、米穀の生産調整方針に関する規定を廃止する必要があるとしている。
だれに関係するか
一定規模以上の米穀の出荷・販売や、米穀を原材料とする飲食料品の加工・製造・調製を行う事業者(届出と在庫数量などの定期報告)。基準保有量の米穀を常時保有する民間備蓄事業者。需要に応じた生産に努める米穀の生産者。保有を命じることなどができる農林水産大臣。
国会での議論
衆議院では5月12日の本会議で趣旨説明と質疑の後、農林水産委員会に付託された。委員会は13日から質疑に入り、20日に参考人から意見を聴取、6月2日に質疑を終えた。討論・採決の結果、賛成多数で原案どおり可決すべきものとし、附帯決議を付した。参議院農林水産委員会では、参考人の意見聴取のほか、需要に応じた生産の意義、需給安定に対する政府の責任、民間備蓄制度を創設する理由、流通実態把握の在り方などについて質疑があった。国民民主党・新緑風会が備蓄と民間備蓄の定義の修正や政府の責務の規定新設を内容とする修正案を出し、討論では立憲民主・無所属が原案に、参政党と日本共産党が原案と修正案に反対し、国民民主党・新緑風会が両案に賛成した。採決の結果、修正案は賛成少数で否決され、多数で原案どおり可決すべきものとした。附帯決議が付された。
- 【反対】参政党:参政党は、本法案が食料安全保障における国家の責任を弱め、政府備蓄に代えて民間備蓄に依存する方向を開くこと、必要なのは政府備蓄の積み増しや全国への分散配置など危機に耐える国家備蓄体制の強化であること、価格上昇時に企業に在庫放出を求める民間備蓄の仕組みは機能しないと考えられることを理由に反対した。
会派ごとの賛否(参議院 2026年7月8日)
賛成 169票・反対 72票
| 会派 | 所属 | 賛成 | 反対 |
|---|---|---|---|
| 自由民主党・無所属の会 | 101 | 99 | 0 |
| 立憲民主・無所属 | 40 | 0 | 39 |
| 国民民主党・新緑風会 | 25 | 23 | 0 |
| 公明党 | 21 | 21 | 0 |
| 日本維新の会 | 19 | 19 | 0 |
| 参政党 | 15 | 0 | 15 |
| 日本共産党 | 7 | 0 | 7 |
| れいわ新選組 | 5 | 0 | 5 |
| 日本保守党 | 2 | 2 | 0 |
| 沖縄の風 | 2 | 0 | 2 |
| チームみらい・無所属の会 | 2 | 2 | 0 |
| 社会民主党 | 2 | 0 | 2 |
| 各派に属しない議員 | 6 | 3 | 2 |
出典
更新の記録
- 2026年11月2日 更新:「なぜ出されたか」「だれに関係するか」「国会での議論」を足しました(国会会議録と法律案の理由をもとに、AIが書き、別の会社のAIとプログラムで確かめました)。