民法等の改正(成年後見・遺言)
正式名:民法等の一部を改正する法律
後見・保佐を廃止して補助に一本化し、特定補助人制度を設けるとともに、保管証書遺言の創設や押印要件の廃止等を行う法律。
主な内容
- 後見及び保佐の制度を廃止し、事理弁識能力が不十分な者全てを補助の対象とする。事理弁識能力を欠く常況にある者には、法定の重要な財産上の行為の取消権等を有する特定補助人を付する審判ができる。
- 家庭裁判所は必要がなくなった補助の審判を取り消し、特に必要があるときは補助人を解任できる。補助人は本人の心身の状態に応じ意向を把握しなければならない。任意後見で明らかに監督の必要がないときは任意後見監督人を選任しないことができ、補助開始で任意後見契約が終了する規定を削る。
- 電磁的記録等により作成し法務局で保管する保管証書遺言を普通の方式の遺言として創設する。死亡危急時遺言等に録音・録画で記録する方式を追加し、自筆証書遺言等の押印要件を廃止する。
- 施行は原則として公布の日から起算して2年6月を超えない範囲内において政令で定める日。
なぜ出されたか
内閣は、高齢化の進展や単身高齢者世帯の増加などに鑑み、成年後見と遺言の制度を利用しやすくする観点から、後見・保佐の制度を廃止して補助の制度の適用範囲を広げ、事理弁識能力を欠く常況にある者についての特例を設け、任意後見契約との関係を見直すとともに、電磁的記録等で作成する保管証書遺言を創設するためとしている。
だれに関係するか
事理弁識能力が不十分な人とその補助人・特定補助人、審判を行う家庭裁判所、任意後見契約の当事者、遺言をする人(自筆証書遺言等の押印要件廃止、保管証書遺言の創設)、保管証書遺言を保管する法務局が対象となる。
国会での議論
衆議院法務委員会は、関係法律整備法案と一括で、5月19日から質疑し、20日に参考人質疑を行い、22日に賛成多数で原案どおり可決し、附帯決議を付した。参議院法務委員会も両法案を一括審査し、現行制度の問題点、補助制度の利用終了後の地域での本人支援、事理弁識能力を欠く常況にある者の保護、保管証書遺言での成り済まし防止策などを質疑した。参政党が反対、日本共産党が賛成の意見を述べ、多数で原案どおり可決し、附帯決議が付された。
会派ごとの賛否(参議院 2026年6月17日)
賛成 221票・反対 20票
| 会派 | 所属 | 賛成 | 反対 |
|---|---|---|---|
| 自由民主党・無所属の会 | 101 | 97 | 0 |
| 立憲民主・無所属 | 40 | 40 | 0 |
| 国民民主党・新緑風会 | 25 | 25 | 0 |
| 公明党 | 21 | 21 | 0 |
| 日本維新の会 | 19 | 19 | 0 |
| 参政党 | 15 | 0 | 15 |
| 日本共産党 | 7 | 7 | 0 |
| れいわ新選組 | 5 | 0 | 5 |
| 日本保守党 | 2 | 1 | 0 |
| 沖縄の風 | 2 | 2 | 0 |
| チームみらい・無所属の会 | 2 | 2 | 0 |
| 社会民主党 | 2 | 2 | 0 |
| 各派に属しない議員 | 6 | 5 | 0 |
出典
更新の記録
- 2026年11月2日 更新:「なぜ出されたか」「だれに関係するか」「国会での議論」を足しました(国会会議録と法律案の理由をもとに、AIが書き、別の会社のAIとプログラムで確かめました)。